私、漫画で泣いたことが殆どないんです。映画ならよくありますけどね。
でも泣いたことが全くなかったというわけではない。
いたたまれなくなって、堪えきれずに泣いた作品が一つ。
何故泣いたのか未だに皆目見当がつかない作品が一つ。
以上が、今思い出せる限りの中でのかつて泣けた作品。他にもあったかもしれないが、思い出せない。
前者は『お~い 竜馬』。
これは1巻から最終巻まで一気に読むのがオススメだ。疲れるけれど。
描写がリアルで、日本刀で斬り合うシーンが苦手な人にとっては苦しいかもしれないが、幕末を生きた英雄・坂本竜馬の生涯(誕生から死まで)が事細かく描かれている。
泣き虫弱虫の子供が、日本の命運を大きく変えるヒーローへと成長する様は、読者を圧巻させる。
夢をただひたすらに追い求める中、竜馬は様々な試練にぶつかり、勉強していく。
私にとっての見所は、竜馬とその幼馴染達との友情。仲良し(というかいつも一緒にいた)だった半平太と以蔵の生き方にも注目です。
当時土佐藩は、同じ武士の中でも階級があって、竜馬達のように郷士と呼ばれる人々は、差別を受け蔑まれていたのです。そうした逆境を乗り越えていく竜馬達ですが、その乗り越える方法の違いによって、命運が大きく変わっていく――。
大望を持って突き進んだ竜馬と半平太と以蔵の運命は、皮肉にも全く正反対の方向へと向かってしまうのです…。
ラストにはかなり泣きました。坂本竜馬のラストといったら、もうあれしかありません。泣きました。大粒の涙が零れ落ちました。何故ああなってしまったのか。どうして夢実現を目の前にあんなことが起きてしまったのか。
つくづく、生きることの厳しさや辛さを思い知らされます。
後者は、『聖伝』です。好きな漫画なんですけど、何故泣いたのか未だによく分かりません。まぁ、確かに悲しいシーンで泣いたわけではあるけど、あのとき私は小学生くらいで、バス停で読んでいたのです。公衆の面前であるにもかかわらず、泣いてしまいました。慌てましたねーさすがに。
泣いたのは、9巻でのあの方の死。――って、あの漫画は人がいっぱい死ぬわけですが、主要人物のあの人、と言えば既読者にはお分かりでしょう。
好きなキャラだったんです…。感極まって泣いてしまいました――が、どうして泣いたのかな…いつものパターンだと、悲しく思うことはあっても涙までは…と思うのですが。つい勢いで、というヤツですかね。