『BLOOD+』の最終話辺りのオープニングについて。
戦闘シーンの映像で、小夜はハジやモーゼスと共闘していたので、物凄く期待していた私。
でも、ハジはともかくとして、結局モーゼスと一緒に戦ったのって、ジェイムズ戦その1だけじゃん!!
騙された、と思った瞬間でした。しかもモーゼス、あっけなかったし。
あと、オープニングの最後で、血まみれの小夜ががっくりと膝をついているシーンにて。
光の中から小夜に向かって手を差し伸べる人影。ありゃ、間違いなくハジじゃなくてソロモンだよね。服白かったし。
あんな重要なシーンで登場しているくせに、結局最後まで小夜に重要視されなかったソロモン・ゴールドスミスに心から同情致します。
あー。ソロモン大好きだー。
『BLOOD+』を最後まで観終わりました。
んで、その感想を。
ソロモン、こんなにもあなたが愛しいなんて。
私の心は、彼の虜になってしまいました。確かに、初登場時から彼はこのアニメで私が一番好きなキャラではあったけれども、実際に『BLOOD+』を最後まで観た今、愛はますます深まりました。と同時に、喪失感も途轍もなく大きいです。
ずっと好きだと思っていて、でも実はその程度じゃなくて、彼の正の部分も負の部分も全部ひっくるめて彼の一部だということに漸く気付いて、彼のどんな面も愛せる、愛していけると自覚した瞬間に、彼は死んでしまった――。
気付くのが遅すぎた。自分の鈍感さに呆れてしまう。
大切なものは、失ってから気付くものだ――とはよく言いますが、その言葉を今ほど切ないくらいに身に染みて感じたことはありません。
永い時をシュヴァリエとしてディーヴァと共に生き、自分の全てを捧げてきたソロモン。けれどディーヴァの宿敵である小夜と出会い、彼の運命は大きく変わりました。彼女の血が自分を殺すと分かっていても尚、彼女を愛せずにはいられない。ただ彼女と二人で生き、世界の美しさを彼女に伝えることだけが、夢。拒まれても想いに変わりはなく、自分の気持ちに応えてくれないと分かっていても、焦がれてしまう。共に生きてはいけないと頭では理解している筈なのに、彼女の為に、彼女の為だけに、自分の命をかけようとする――健気なまでの一途さに、私は心を奪われました。
ソロモンが小夜を連れ去るシーンなんて、ドキドキしっぱなしでした。小夜に対しては嫉妬の嵐が吹き荒れていましたが、彼女を求めてやまないソロモンの気持ちが分かるからこそ、切ないのなんのって。好きだからこそ、何もできない。傷ついていく彼女を見ていて、傷ついていない自分が痛みを感じてしまう。結局小夜はハジが奪還し、ソロモンはとり残されることとなってしまいましたが、一人ぽつんと夜の街に佇むソロモンの姿は、涙を誘いました。
彼の翼手姿は、別に嫌いではないけれど何で金髪?って疑問だけは感じていました。あんな姿で金髪――ちょっとやめてほしいかな、と。でも余裕で許容範囲内なので、文句を言ったりはしませんが。
話を戻します。本当に、ソロモンには涙を誘われっぱなしです。小夜をどれほど求めても、彼女に受け入れてもらえなくて。自分は小夜の為にディーヴァのシュヴァリエとしての立場を放棄して、富も栄誉も家族も喪失して、それでも自分を信じてくれない小夜を少しは恨んでも良い筈なのに、恨み言の一つも言わなくて、ただ小夜の為だけに命をかけ続ける――。
でも、失恋のショックで自暴自棄になってしょげているソロモンは、なんか面白かった。可愛くて。
傷つけられても、痛みつけられても、小夜への想いだけは貫き通す――あぁ、なんて想いが深いの、ソロモン。タミさんドキドキしっぱなし。
血を殆ど抜かれた状態で、ジェイムズに襲われていた小夜を助けに来たソロモン。その際事故で(なんちゅー悲劇)小夜の血液に冒され、それでもまだ戦い続けて、何とかジェイムズを倒した後、小夜の足元に跪いたシーンは、とても印象的でした。
「何かがあれば、僕を呼んで…」
そのようなことを言って、小夜の前から姿を消すソロモン。そして、暗い路地裏で、ひび割れていく自分の身体を見ながら、それでも小夜を恨む気持ちはこれっぽっちもなく、突然その場に姿を現したアンシェルに対しても、小夜の為に刃を向けようとし、けれど結局叶わず、息絶えてしまいます。
報われないことの辛さ、悲しさ。それが、妙に印象深くて、切ないです。
何故ああも献身的になれるのか。愛の深さ、想いの一途さ。純粋ですね。純粋すぎて、手を触れられない。そんな気がしてしまう。
あ。幽閉中のソロモンの、ちらりと見える腹にもときめきました。――って、何語ってんだ私は。
これもう感想とかじゃないよね。
『BLOOD+』の感想ね。ソロモンへの想いとかじゃなくて。
面白かったです。小夜一人だけの話じゃなくて、登場してきたいろんな人の話でもあるんだなぁーって。いろんな人の思いが集まって、『BLOOD+』という一つの物語が完成したんだなぁーって。
小夜の、自分の犯した罪を償いたいという想い。
ハジの、小夜の望みを叶えたいという想い。
カイの、家族を守りたいという想い。
ジョエルの、先祖から連綿と受け継がれてきた想い。
たくさんの想いがあるんだ、と。味方だけじゃなくて、敵にも。
ネイサンが最も謎めいていますね。黒幕である筈のアンシェルにさえ計り知れないところがあって、「SAYAにもまたシュヴァリエがいた…」という会話の中で、自分がそのシュヴァリエだったということを仄めかしているし。最後だって、小夜に殺された筈なのに記者に紛れて生きていたし。うん、ネイサンはSAYAのシュヴァリエだったに一票。
アンシェルはね、絶対最後までしぶとく生きてると思っていたよ。ただ、漫画とは違ってディーヴァを実験体として見なしていた…のかなぁ? まぁ、愛しき実験体ってヤツかな。実験体なんだけど、独り占めしたい――みたいな感じ。漫画では、実験体とかじゃなくてとことんディーヴァを独り占めしたいようだったけど。いずれにしても、単なるロリコンだね☆(手厳しい…)
モーゼスは…ソロモンに次いで好きなキャラだったんですけどね。まさかあんなにもあっさりと亡くなってしまうとは…正直言って、ショックを通り越して幻滅です。なんて無意味な自殺なんだろうって思った。死ぬ必要なんてなかったのに。どうせならカルマンを見送ってやって、ルルゥと一緒に生きてやればよかったのに。一人とり残されたルルゥが可哀想。でも、ま、カルマンとの友情も捨て難いしね。男の友情って熱いなぁーって思いました。でもね…。ところでモーゼスの声を聞いていると、どうしても敦盛さんを思い出すのですが。
あぁ、アニメの感想を書く筈が、気付けば途中からまた登場人物の感想になっちゃってる。
本当にね、面白かった。小夜は美味しい設定がされている筈なのに、どうも主人公にしては個性がないなぁーという印象を受けましたが。もっと自我が強くてもよかったのにね。あと、カイ。いつか胃に穴が開くよ。
そしてね、何といっても
やっぱりソロモンの死が長く尾を引きそうだ。
ソロモンが死んじゃったと思うと、胸が締め付けられます。彼の死を悼みます。本気で。本当に本気で。
でも完全に結晶化した姿を見たわけじゃないから、きっと生きていると信じています。いや、絶対生きてる。生きてるぞー。
○小夜
予想より活躍していないなぁーっと思いました。主人公としての立場も、キャラ設定も、殆ど申し分がないのに、今ひとつ個性が欠けているっていうか…。他のキャラほど個性が強くはなくて、「大喰らい」という設定も、とってつけたような印象を受けました。
あと、分け目。髪の分け目が気になるの。
○ディーヴァ
私は先に漫画の方を読んでいたので、アニメでのディーヴァを見てとても驚きました。だって性格が全然違う!! 漫画のディーヴァは性格が幼くて、純粋で、無邪気で、だから私は好きなのですが、アニメは…うん、あれはあれで良いと思うよ。ただ、漫画とのギャップがありすぎて驚いたというだけで。アニメ版での彼女は冷酷無慈悲ですよね。しかもかなり聡明そう。漫画での馬鹿っぽいディーヴァの方がどちらかといえば好きだけど、やはり憎むべき宿命の敵としてはアニメの方が適していそう。漫画でのあの性格のディーヴァがラスボスだなんて、なんか戦意が失せてしまうっていうか…。
○ハジ
ただでさえ従者という立場が美味しいというのに、あの無愛想さ。「あなたは景麒ですか」って(笑)。まぁ、どっかの台輔とは違ってちゃんと戦えるので役には立ちますけど…でもディーヴァのシュバリエと比べて格段に違うこの戦闘力。何故こんなに弱いのォォォ――ッッッ!? しかも変化するのは手だけでしょ。どうして。ハジは、漫画とアニメとであんまり性格に違いはないけれど、よく考えてみたら漫画版の方が根暗だった気がする。根暗なハジばんざーい!!
○カイ
苦労人だよね。一番人生を狂わされている気がするよ。可哀想。苦労する熱血漢って、見ていて哀れだ。でも頑張ってほしい。私が最も応援したいキャラでもあります。っつーかこの人、いつか胃に穴があきそうじゃないですか。
○リク
この兄弟の名前って…いやいや、これについては文句は言わないでおこう。でもどうせならクウってキャラも欲しかった。(笑) 先にウィキペディアを読んでいたので分かっていたことではあったけれど、この子の最期は可哀想すぎる…て、手篭めって…。(T_T) 来世では(?)幸せになってほしいものです。それにしても、私はこういう「僕」キャラに弱いとばかり思っていたけれども、リクにはあまり反応しなかったなぁ。いや、確かに可愛くて好きだったけど、ハマりはしなかった。あぁ、あの最期は衝撃的すぎたなぁ。
○デビット
こういうオジサンって好きですよ、私。
○ルイス
この人も好き。友達になりたいなぁ。良いよね、デブキャラって。ふふ。
○クララ
ナイスバディですよね。色気があります。胸が気になる。
○ジョージ
父親の鑑っすよね。声も好きかも。
○ジョエル
こ え に ほ れ ち ゃ い け ま せ ん か 。だって中身の人があの人だもの…え?不純な動機だって?
○アンシェル
あーもうどうでもいいよ。ヒゲが気に食わないんだもの。
○ソロモン
大好きィィィ――ッッッ!! 好きすぎ。格好良すぎ。当分は彼への愛でもちそうです、私。
○ジェイムズ
結構好きかもしれません。こういう忠実なキャラって好き。マザコンだけど。
○ネイサン
オカマキャラって、どうしても嫌いにはなれない。場の空気を和らげてくれるし。柳宿しかり。
○カール
結構好きなんだよねぇ。こういうアブノーマルなキャラって。目つき怖いけど。
○モーゼス
シフって可哀想な存在ですよねぇ。だから好き。その中でも特にモーゼスが好き。大好き。声が敦盛さんにしか聞こえない病気にかかっちゃいましたよ、私。
○ルールー
可愛いよね。好き。
○カルマン
眼鏡ー…。
今のところ(この先も不動だろうが)ソロモンとモーゼスが好きです。大好きです。
ところで…あのう、ちょっと疑問に思ったんですけど…『BLOOD+』では言語の壁はないんですか?
こんにちは。先日借りた『BLOOD+』のDVDを観ています。これ観終わったらアリスやります。有意義な一日です。
――『BLOOD+』について。
『十二国記』とか『月の系譜』とか『ドラキュリア』とか『オペラ座の怪人』とか『永遠の仔』とか『海の闇、月の影』とか、とにかく私の好きな作品群と通じるものがある。ソロモンが格好良い。名前を聞く度にどっかの王様を思い出しかけるけれど。ハジは子供時代声が渋くて驚ぇた。ディーヴァは漫画版の方が無邪気で可愛くて好きだ。アンシェルはおじさんだからあまり好きじゃない。ジョエルは声を聞いた瞬間から好きになった。カイはきっといつか胃に穴が開くと思った。小夜は髪の分け目が気になる。リクを見ていると何故か泰麒坊ちゃんを思い出す。っつーかソロモンが好き。この作品は漫画とアニメとで全然話の内容が違うので、そういう違いを見つけるのも楽しいです。違いありすぎですが。
今日観た第八話では、小夜がベトナムのお嬢様学校へ転入していました。その際ハジも庭師として潜入。それを観て、私がふと思い出したこと――
泉と榊。
職業病ならぬ趣味病です。かつて自分がハマったものと比較検討してしまう。そしてそれが楽しくて仕方がないときた。タチが悪いですねぇ。
えーっと…「泉と榊」とはですねぇ…私が中学・高校生時代にハマった『月の系譜』シリーズ(金蓮花・作)の登場人物でして。
主人公・山吹泉はごく平凡な女子高生として暮らしていたものの、ある日突然榊と名乗る謎めいた男(音楽教師として泉の学校にやって来た)と出会ってから、自身が実は人間でなくかつて「常世姫」と呼ばれる異形の存在だったということを思い出し、かつての記憶と力を取り戻す為に旅(?)を続ける――という物語です。常世姫は半人半神の存在らしく(でも詳しいことは分からない)、その一の従者である榊は二本の角を持つ美しき鬼。他にも、市松人形に宿った付喪神・乙姫や、人間の少年に憑依した鬼・阿夫利、人の身でありながら常世姫に忠誠を誓った青年・真澄など、素敵な仲間達がいらっしゃいます。皆美しくて、思わず見惚れてしまいます。
だいぶ前にも書いたことかもしれませんが、『BLOOD+』のヒロイン・小夜とその従者(というかシュバリエ)のハジの関係は、『十二国記』の陽子と景麒、さらに『月の系譜』シリーズの泉と榊にも似ているなぁー、っと。
特に、小夜とハジの出会い(正確には再会)の場面は、陽子と景麒の遭遇と酷似しているし(学校で、剣を手渡しながらヒロインに戦うように言う。景麒に関しては自分は戦おうとはせず / 麒麟だからね)。そして今回私が観た、お金持ちばかりが通うお嬢様学校に、小夜が学生として、ハジが庭師として潜入する場面は、かつて自らが喪失したものを求めて、由緒正しいお嬢様学校に、泉が学生として、榊が教師(初めは音楽教師、次は保健室の先生)として潜入するのと似ています。私としては、そういう共通点を探すのが物凄く面白かったりします。うふふ。
ただ、ハジはぼーっとしているところがあるようなので、切っちゃいけない薔薇を切ってしまったりとミスを犯すことがあるようですが、榊は完璧なので(っつーか鬼だし)ノーミス。寡黙ながらも健気に小夜を守るハジに対し、榊は辛辣挑発で泉と二人きりのときは常に殺気立っている。――そこが違うんですけどね、『BLOOD+』と『月の系譜』は。
しかも、小夜とハジはとりあえず戦うしか能がありませんが、泉と榊の主従は戦うだけではありません。人間を洗脳します。暗示をかけて自分の都合良いように操作するなどしょっちゅう。まぁ、泉に関してはまだまだ未熟者なので上手くいかないことも多々ありますが、それはそれで良しとしておきましょう。
あと、『月の系譜』側は、仲間達が有力です。乙姫は癒しキャラで、音を操る力を持っているし、榊相手に説教するし。阿夫利もある意味癒しキャラで、雷や風を操る力を持っているし。真澄さんもある意味癒しキャラで(癒しキャラばっかだな / だって本当に癒されるんだもの。…あれ?癒されないのは榊だけ?)、人間社会において大きな権力を持っているし(本人がその気になれば日本を牛耳られるんじゃないかと思うよ)。それに比べて『BLOOD+』側は……あれ?小夜の仲間達は普通の人間ばっかじゃね?音も風も雷も操れないよ。強いて言うならば、権力…はあるかな。まだ途中までしか観ていないからよく分からないけれど。
ふと考えてみました。そのような似た境遇の二人のヒロイン――小夜と泉。実際に戦ってみたらどっちが強いだろう、と。
――考えるまでもありませんね。間違いなく泉の方が強いですね。だって泉は神様だし。翼手じゃないし。
あはは。私、何考えてんだろ。