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2024/11/23 12:56 |
冗祐と班渠
今回は冗祐と班渠について語ります。

どっちも人間じゃねえよ。

冗祐
景麒の使令。賓満という種類の妖魔。陽子に憑依した。岩でできたような顔色の悪い男の顔で、身体がなく、半透明のゼリー状のものがクラゲのように纏わり付いている。赤い目。

班渠
景麒の使令。銅色の大型犬の姿。めちゃ足が速い。


まず冗祐。
外見は、ハッキリ言って怖いです。こんなものに憑依されたら陽子じゃなくても身の毛がよだつだろうなぁ――と思います。
けれど、彼(性別不明)は心の優しい妖魔なのです。「ないものとしてふるまえ」という主命を厳守し、陽子が何度話しかけても、うんともすんとも言わなかった冗祐。しかし陽子が、王としての運命を受け入れるか否かと迷っているとき、なんと主命に逆らって(使令が主令に背くというのはとんでもないことなのです)、陽子にそっと囁いてきたのです。

あなたはずっとひとりではなかった。わたしはぜんぶを知っています。

私の大好きなシーンです。

あと、班渠。
めちゃくちゃ足が速いみたいですね。
同じ使令でも特に出動率が高い妖魔です。多分、景麒の使令で一番強いかと。
しかもユーモアのある妖魔は、彼くらいなものではないでしょうか。くつくつと喉を鳴らしたり(随所)、泰麒をからかったり(『風の海 迷宮の岸』)、景麒のボケっぷりを笑ったり(『風の万里 黎明の空』)……。
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2006/10/02 21:52 | Comments(0) | TrackBack() | 十二国記
景麒


慶国の麒麟で、宰輔。薄い金髪、能面のような顔、二十代後半の男の姿。陽子を景王として選定。

ひとよんで、身勝手でため息ばかりの誘拐犯。でも好きです。不器用なところが。
あまりにも口数が少なく、麒麟のくせに他人の気持ちを思いやってやれなくて、先代の景王である予王舒覚を破滅させるほどに追いつめてしまった麒麟のくせに一番麒麟らしくないヤツ。
でも外見は美しいらしくて、舒覚は彼にぞっこん。そしても彼にぞっこん。
『月の影 影の海』を読んだときは、「何コイツ!?何も知らない女子高校生に何の説明もせず、見知らぬ世界に一人置き去りにしてあとは放置かよ!?」と苛立ったものですが、読み進めていくうちに気持ちが激変。

好きになりました。

『月の影 影の海』のラストシーンでの迷セリフ。
あのおかげでハートを見事に射抜かれましたね。

裸で御前にはまかりかねる

うひょーッ!!
何そのセリフ何そのセリフ!?
結構恥ずかしいことを言っていると思うのに、ちっとも恥ずかしげなく憮然と言い放つ景麒。
その憮然さに惚れました。
(あ、そういえば楽俊が裸になるシーンもあったな。『月の影 影の海』は印象的な裸シーンが二つも…。)

あとね、あとね、『風の万里 黎明の空』での陽子とのやりとりもよかった。
初めの方の一触即発みたいな言い合いのシーンも良いし、景麒が陽子を心配して様子見に来るシーンも良いし。
ああ、やっぱり景麒は陽子のことが大好きなんだなぁって…。
なんか麒麟とは思えないくらいの失態ばかりの彼ですが、やはり本性は麒麟ですもんね。獣ですもんね。私の中では、飼い主にじゃれつく猫のイメージがとても強いです。陽子と一緒にいるときの景麒は、麒麟としての例に漏れず、やっぱり幸せいっぱいなのでしょう。
『風の海 迷宮の岸』での、彼にしては珍しく泰麒を可愛がる景麒にも思わずドキッとしました。まぁ、いわゆる兄弟ですからね。麒麟達は。


2006/10/02 21:48 | Comments(0) | TrackBack() | 十二国記
中嶋陽子

好きな十二国記キャラについて、一人ずつ語りたいと思います。

・中嶋陽子

まさか主人公を好きになるとは思ってもいなかった。
私って、たとえ好きな物語でも主人公のことをあまり好きになれないんです。
でも『十二国記』は例外ですね。

『月の影 影の海』初登場時の陽子は、ハッキリ言ってあまり好きではありませんでした。他人の目ばかりを気にしていて、臆病で怠惰だったと本人も後に自覚しますし。
けれど、平凡な女子高校生だった彼女が、ある日突然異世界へと連れてこられ、おまけに死と隣り合わせの過酷な旅へと出ざるを得なくなってから、陽子は目まぐるしく変貌を遂げていきます。
信頼していた人に次々と裏切られ、さらに蒼猿の幻影に惑わされて、陽子はしだいに疑心暗鬼に陥っていく。遂には自らを「獰猛な獣」と自覚するまでに至り、かつては無知で無力だった少女が、誰一人信用しようとしない邪悪な人間になってしまう様は、何故か他人事だとは思えない。それが『十二国記』の不思議な点です。ありえない設定なのに、どうしても共感して、「もし私がこんな目に遭ったら…」と考えてしまうのです。
自分が生き延びる為ならば他人を騙し、傷つけることさえ厭わない――と考えていた彼女が、やがて楽俊という半獣に出会ったことをキッカケに善の心に目覚めていくシーンは、とても気分が盛り上がりました。
『月の影 影の海』下巻で、陽子が楽俊を見捨て、すぐに後悔して、蒼猿の誘惑を断ち切るシーンは、かなりのお気に入りです。人を信じることは、悪いことじゃないよね。
熾烈を極める旅を経て、陽子はやがて心身ともに強く成長します。ええ、本当に強くなりました
男口調を使うし、常に男装に身を包んでいるし、度胸が据わっているし、いつのまにか天下無敵の剣客になるし……かつての面影が全くありません。
『風の万里 黎明の空』では、暴れん坊将軍の如き活躍を見せてくれて、ますます惚れましたv。(女だけど…)
禁軍の頭上で景麒に跨ったまま、「余の顔に見覚えはないかァ!?」(言ッテナイ言ッテナイ)と叫び、それを見た兵士達が「へへェ~」と頭を下げる――何度読んでも痛快だ☆

外見は美しい筈なのに、本人はそれを全く気に留めず、意外と天然ボケなところが可愛らしい。
陽子は、景麒に似て生真面目で愛想が悪いところがある(勿論景麒ほどではない)ものの、それも彼女の魅力。
あまりに男っぽいので、男に見間違えられることもしばしばある陽子。とても頼り甲斐があって、強くて、逞しくて。「女王」というより「王」という印象がとても強い方です。王は王でも「覇王」といったイメージ。でも平和をこよなく愛する、という感じで。
暴れん坊将軍の如く、陽子は庶民に身をやつして正体を隠し野に下り(決して尚隆のように遊び目的ではない)、王である自ら内乱を鎮め、さらにずっと欲しいと切望していた味方を得、さっそく賢君としての兆を見せ始めます。
陽子には、できれば延王尚隆や宗王櫓先新のような、治世が500年も600年もいくような王になってほしい。

『帰山』などによると、王も所詮は人間で、生きることに飽いてしまう――だからこそ、どれほど賢君としての素質を持っていても、治世が長く続かないこともある。
十二国の中で最も治世の長い先新と、その次に長い尚隆を見てみると、前者は家族による合議制で和気藹々と国を治め、後者も優秀な官吏に政務を任せて日々脱走劇を繰り広げ、いずれも人生を楽しんでいるというイメージ。
王は、ただ賢君としての素質があるだけでなく、それなりに余裕を持たなければいけない。それが秘訣なのでしょう。
けれども陽子は、彼らのように人生を楽しむ余裕はない。根が実直なものだから、すぐに一人で問題を抱え込み、苦悩してしまう。世間知らずだということも彼女の悩み。
桓魋と剣の稽古をしてストレスを発散しているらしいが(この組み合わせも好きだ…)、それでも悩みは消えないでしょう。尚隆のような呑気さがあったらまだ良いであろうが。
こうした陽子の性格を考慮してみると、先代の采王砥尚や峯王建仲韃のような清廉潔白で真面目すぎたが故に道を悖ったタイプとよく似ていることが分かる。
つまり放っておけば、陽子は既に世を去った二王と同じ道を辿ることになる――と。
しかし、陽子は、自身の力で見出しました。共に支え合える仲間達を。
彼らがいる限り、陽子は決して道を見失わない。彼らは強い絆によって結ばれ、互いの足りない部分を補い合って生きていく。実際、『黄昏の岸 暁の天』で、そうした慶国の新たなあり方が描かれているし。

陽子のこれからが楽しみです。


2006/10/02 21:47 | Comments(0) | TrackBack() | 十二国記
陽子の声はセーラーマーキュリー。
『十二国記』には、お気に入りのキャラがたくさんいますね。
以下に挙げます。

・中嶋陽子
・景麒
・冗祐
・班渠
・小松三郎尚隆
・延麒六太
・楽俊
・泰麒
・汕子
・傲濫
・蓉可
・驍宗
・更夜
・朱衡
・桓魋
・夕暉
・蘭玉
・珠晶
・供麒
・清秀
・利広
・頑丘
・呉藍篠

多ッ……!

主要人物の殆どが好きです。
登場人物が多い分、好きなキャラも必然的に多くなってしまうみたいですねぇ…っていうか、本当に登場人物一人一人の個性がハッキリと魅力的に描かれているので、好きにならざるを得ないのです。

これから、各キャラごとの感想を書いていきたいと思います。
長引きそうだなぁ…。

2006/10/02 21:46 | Comments(0) | TrackBack() | 十二国記
字って、ニックネームって意味だよね。
『十二国記』について語っちゃおうかな。

漫画とか小説とかにハマる場合、必ず私のハートを鷲掴みにするキャラが一人か二人はいるものです。けれど『十二国記』に関しては、好きなキャラが多すぎる。
『十二国記』は、読者の誰もが「多ッ!」と驚愕するほど、本当に登場人物がたくさんいます。それこそ、作者がこの作品を作るにあたって参考にしたという『水滸伝』や『封神演義』を彷彿とさせるほどに。
おまけに、幻の中国を舞台にした物語だから、登場人物には姓名の他に氏やら字やらがあって、ややこしい…。
今でこそ「この人の字は○○」と理解しているものの、初めて読んだとき(中学生くらいだったかなぁ)は、誰が誰だか分からずに混乱していたものです。
例えば桓魋。これは私の『好きな十二国記キャラランキング ベスト5』に入るほどの素敵なお兄さんなのですが、名前が幾つかあるので、少しだけ混乱しちゃいました。『風の万里 黎明の空』で初登場したときは桓魋(多分これは字だと思うが…)と名乗っているものの、後に刊行された短編集『華胥の幽夢』の『乗月』では青将軍と呼ばれていました。そういえば『風の万里 黎明の空』のラスト辺りで、陽子から「青辛」と呼ばれていたっけ…。
あと、尚隆。彼には一応、小松三郎尚隆という姓名があるのですが、それとは別に「風漢」という偽名を名乗っています。『帰山』に登場した風漢が尚隆さんだったと気付いたのは、読み終わってだいぶ経ってからでした…どうりで尚隆さんに似ているなーと思っていたんですよね。気付くのが遅すぎました。ファン失格だぁ…。(T◇T)
それにしても、陽子の字の「赤子」って…なんか可愛いな。赤ちゃんかよ。

2006/10/02 21:45 | Comments(0) | TrackBack() | 十二国記

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