『十二国記』と『遥かなる時空の中で3』にハマっている私だからこそ、考える――
これミックスしたら、かなり美味しくね?
ってことで、脳内妄想展開。陽子がもし白龍の神子として選ばれちゃったら。
まずは宇治川。
陽子「…ここは何処だ」
怨霊「キシャァァァ!!」
陽子「妖魔か!? …しまった、水禺刀がない…!」
白龍「神子、刀を」
陽子「みこ…? と、とにかくありがとう。…ッとりゃあぁぁぁ!!」
ばしゅっ
怨霊「グオォ~…」
陽子「おい、無事か?」
朔「あ、ありがとう…助かったわ…」
陽子「その声…お前、祥瓊か!?」
朔「え…? いえ、私は…」
陽子「祥瓊!よかった、お前に会えて。まったく、ここは一体何処なんだ? 私は執務室にいた筈なんだが…。それにしても、祥瓊。その髪形はどうしたんだ? 染めたのか? それにこんなに短く切ってしまって」
朔「いえ、だから私は…」
陽子「とにかく行こう。こんな所にいたら、また妖魔に襲われてしまうかもしれんぞ」
朔「え、ええ…」
陽子「ほら、そこの君も。危ないからついておいで」
白龍「うん」
陽子は意外と鈍感なところがあるから、朔と祥瓊を間違えるかな――と(声同じだし)。
この調子だと、リズ先生と更夜を間違えそうだな――と(でも陽子は更夜に会ったことなんだったか)。
あと、ここに景麒と黒龍(小)がいたら、景麒は間違いなく黒龍を泰麒と間違えるだろうな――と。
で、譲と合流。
譲「先輩、危なっ…!」
陽子「フンッ!!」
ばしゅっ
怨霊「グアァァァ…」
譲「…(庇うまでもなかったな)よかった、先輩。無事だったんですね…って、あなた誰ですか」
陽子「私か? 私は中嶋陽子だ」
とりあえず譲もお供に加えて、今来た道を戻ってみる。
しゅんっ
リズ「ここから先へ行くと再び妖魔に遭遇してしまうぞ、神子よ」
譲「なっ…何者だ…!?」
陽子「…犬狼真君? あなたは犬狼真君ですか…?」
リズ「…神子がそう思うのであれば。これより先は私も共に行こう」
陽子「ありがとうございます。天仙であるあなたがご一緒して下されば、私も心強いです。あの…更夜と呼んでもよろしいでしょうか?」
リズ「神子がそう望むのであれば」
ゲーム版の陽子ならば彼を知っているということで。
神子に一切逆らわないリズ先生なら、すんなりと陽子の思い込みを受け入れそうで。
そして、九郎一行と合流。
九郎「何者だ!?」
陽子「…スネオ!? その声はスネオか…!?」
陽子は意外と『ドラ○もん』とか観ていそう。
そして、九郎の声に素早く反応していそう。(あ、でも陽子がTVを観ていた頃はまだ大山のぶ○世代だったか)
とにかく九郎たちと行動を共にすることになった陽子。
弁慶「それにしても、君はとても不思議な色の瞳をしていますね。まるで翠玉のようだ。見ているだけで吸い込まれる気がしてしまう」
陽子「私には別にそんな力はないぞ? お前が妖魔で私が麒麟ならば、視線で捉えることもできただろうが」
弁慶「ふふっ。面白いことを言うお嬢さんだ」
恐らくナンパされたことなど一度もないであろう陽子ならば、弁慶の言葉に惑わされることもなかろう――と。
陽子「ああ、早く王宮へ帰らないと、また景麒や浩瀚から小言を言われてしまうな…。なぁ、どうしようか、祥瓊?」
朔「え…いえ、私は祥瓊という名ではないんだけれど…そうね。怨霊を封じて白龍が五行の力を取り戻せば、きっと元の世界へ帰れると思うわ」
陽子「五行、か…何だかよく分からないが、とにかく妖魔を倒しまくれば良いんだな?」
弁慶「ええ。やってくれますか?」
陽子「ああ。王として困っている民を見過ごすわけにはいかん。私にできることがあるなら、何でもやるさ」
一同「(王…?)」
とりあえず、一同は京へ。
梶原邸で世話になることになった陽子。
景時「ふんふんふん~♪」
陽子「お前は…?」
景時「あ、俺? 俺は梶原景時。この邸の主さ♪」
朔「まぁ、兄上。またこんな所で洗濯物なんて干したりして」
景時「ああ、朔。お帰り~♪」
朔「こんな姿を家臣に見られたら、しめしがつかないわよ、兄上」
景時「あはは~そうだね」
このようなキャラを目の前にしたら、きっと陽子は戸惑うと思う。
しかし、何となく親近感を覚えるだろう。
陽子「(延王や六太くんや楽俊を足して3で割ったような人だな…)」
そして、夜。
追手に追われ、梶原邸の庭に逃れてきた敦盛と遭遇。
陽子「大丈夫か!? よし、ここに隠れていろ。私が斬り伏せてやる」
敦盛「えっ…いや、あの…」
陽子なら戦うと思う。
そして、敦盛は(あまりにも強い)陽子を見て、物凄く尊敬すると思う。
敦盛「(なんと勇ましい方なんだろう…)」
神泉苑にて。九郎に花断ちを見せることになった陽子。
陽子「花断ち…というのがどんなものなのかは知らんが、似たようなことならできると思う」
ざくっ
どおぉぉぉ……ん……
陽子「どうだ?」
九郎「…ま、まさか木を切り倒すとは…俺が思っていた以上だ。ぜひともその力、戦場で借りたい」
人間だけじゃなく数多の妖魔と何千、何万と戦ってきた陽子ならば、九郎でさえ素直に驚嘆してしまうほどの剣技を披露してくれるであろう――と。
で、将臣くんとの夢での邂逅。
陽子「ここは…学校…? まさか…ああ、そうか。ここは夢なのか。しかしたとえ夢であっても、また学校に来れるとはな。…そういえば、私は景麒の所為で…くそっ!!あの仏頂面め…!」
将臣「よぉ。そんな所で何やってんだ?」
陽子「…!? ば、馬鹿な…!! 私は女子高に通っていた筈なのに…!」
将臣「はぁ? 何言ってんだ、お前? ははっ。面白いヤツだな」
陽子「…お前のその声…聞き覚えがあるな…ハッ! アンドレか!? ベル薔薇のアンドレか!?」
『ベルサイユの薔薇』ならば陽子も観ていただろう――と(でも父親が厳格だったから、果たしてアニメを観れたかどうか)
それにしても、この陽子は声に敏感に反応しすぎです。
所変わって、(いきなり)熊野。
ヒノエ「(ふふっ。いたいた。へぇ、あれが白龍の神子ってヤツか。思ってた以上に綺麗じゃん)」
陽子「…気配!? 何奴!!」
ヒノエ「ぐはぁっ…!!」
弁慶&敦盛「ヒノエ…っ!?」
これまで数多の死線を潜り抜け、気配に敏感となった陽子ならば、木に登って身を隠すヒノエにもすぐに気付く筈。
そして、つい癖で攻撃してしまう筈。
陽子「あ、す、すまない。大丈夫か? 碧双珠を貸すよ」
ヒノエ「…へぇ。優しい神子姫だね。ますます惚れちゃいそうかな。同じ赤い髪同士、仲良くしようぜ」
あ、そういえばヒノエくんも陽子も赤い髪だったな、と。
そして、白龍が大人バージョンに変身。
白龍「神子。神子が力を取り戻してくれたおかげで、この姿になった」
陽子「そうか。よく分からんが、よかったな。…ん? その声は…」
白龍「…? 私の声がどうかしたのか、神子?」
陽子「ユウ…」
白龍「?」
陽子?「遊! やっぱり遊じゃないの! 会いたかったわ…!!」
白龍?「亜梨美…!?」
いきなりキャラが変わった陽子と白龍。ハイ、亜梨美と遊です。『ママレード○ーイ』の。
そういえばこの前再放送で観たな――と。
範西国国主、氾王。女装しているが、どう見ても男。何の産業もなかった範国を工匠の国として立て直す。治世300年に及ぶ。
オカマ……!?
登場早々読者に衝撃を与えたキャラ。よもやあの尚隆を凌ぐキャラが他にいようとは。
ふと気付いたことですが、私が今まで読んだりプレイした中国系の漫画やら小説やらゲームには、必ずオカマが登場します。
『ふしぎ遊戯』――柳宿
『後宮小説』 ――菊凶
『真・三國無双』―張郃
今のところ思いついたのはコレだけ。かつての中国の王朝には宦官がいたそうだから、その影響かなぁ…と思ったり。(違うって)
オカマ――良いですよね。なんかちょっと妖艶な魅力を感じちゃいますよね。
以前誰かが言っていました。「一般にオカマと呼ばれる人は、女性以上に女性らしく、誇りを持っている」と。
……話がそれてしまいました。
とにかく、この藍滌さんという人は、とても刺激的な人なのです。『十二国記』の中で最も際立った雰囲気を醸し出す方なのではないかと。なんでもあの尚隆さんでさえ苦手とするほど。おまけに藍滌さんを王として選定した範国の宰輔・氾麟こと梨雪もまた、(藍滌さんの影響か、それとも元からそうなのか)主に勝るとも劣らぬほどの強烈なキャラ。女版六太と言われているらしく、敵に回したくはない人物です。
範国の物語はまだ描かれていません。範国の主従は『黄昏の岸 暁の天』の下巻に登場したのみですから。
私が思うに、今までのパターンからして次回刊行される『十二国記』の話は、戴国の物語か範国の物語のどちらかかと。
楽しみだなー。……頼むから早く続きを出してくれ……。
柳国出身の猟尸師。珠晶が昇山のときに剛氏として雇われ、登極に立ち会う。
頑丘――素敵なオジサンだよなぁ。
名前の通り、頑固なオジサン。けれど彼が頑固なのは、黄朱の民という立場だからこそ。本当は心の優しい人なのです。(『図南の翼』の冒頭部分でも、そうした優しさを垣間見せてくれました…)
珠晶に雇われた後も、とりあえず任務を遂行しながら、珠晶に現実の厳しさを教え込んでいきます。しかし、珠晶は子供。大人の理屈は通用しません。しかもとても聡い子だから、さすがの頑丘もたじたじ。頑丘にとって、珠晶は初めて見るタイプの子供だったのです。
頑丘と珠晶の組み合わせも好き。「危険を感じたら、仲間であっても見捨てるのが当たり前」という常識を持っていた頑丘と、「危険を感じても、仲間なら見捨てることなく助けたい」という考えを持った珠晶。全く正反対の二人で、それ故に言い争いが耐えず、遂に黄海の中で別行動をとってしまいますが、実は彼らは互いに率直に意見を言い合える良き相棒だったわけです。
物語の後半部分で、頑丘が珠晶を助けようとして重傷を負い、二人が初めて互いに優しい言葉をかけ合う様は、感動しました。そのときの珠晶は、物語が始まって以来初めて子供らしさを見せます。他の大人達には決して見せられない子供らしい不安を、珠晶は頑丘の前でなら見せても良いのだと、安堵したわけです。
強い絆を感じます。両極端の性格を持っているからこそ、互いに信頼し合い、支え合える。それに利広というのほほんとした、しかし洞察力の鋭いキャラを組み合わせて、とってもナイスなトリオです。
利広は、供王登極後もしばしば恭国を訪れているようですが(『帰山』より)、頑丘はどうなのでしょう。黄海で交わした約束通り、珠晶の臣となって支えているのでしょうか。
利広
奏国の太子。治世600年に及ぶ大王朝を築き上げた宗王・櫓先新の次男。卓郎君とも。二十代前半の青年の姿。恭国で昇山する珠晶と出会い、助ける。
私が思うに、
十二国一の爽やか青年キャラ。 齢600を軽く越しているが…。
極度の放浪癖があり、諸外国を行ったり来たりしている通称・放蕩息子。王宮に出入りするときは扉ではなく、窓を通るという難癖の持ち主。好青年で、常に微笑みを浮かべているというイメージを私は受けましたねー。第一印象が大変素晴らしい人物でありました。
頑丘とはボケ&ツッコミという感じで、この二人が芸能界デビューすればきっと売れると思うんだよね。(芸能界ないやん)いつも飄々としていて、しかし心の内を決して他者にひけらかさない。自らの思惑を隠しつつ、風のように生きる。
けれどそのような彼にも例外というものがあります。『帰山』で、傾きつつある柳国で偶然にも風漢という古い知人と再会した利広。この風漢、実は正体は尚隆なのですが、その彼に利広は心のわだかまりを打ち明けます。
滅びない王朝はないんだ――と。
悲しい一言です。盛者必衰、諸行無常。賢君と名高い先新は、治世600年という最長の王朝を築き上げた傑物なわけですが、それでもいずれ滅びるときが必ずやって来ることを、利広は知っています。勿論、現段階では自国に傾国の兆はないものの、その日が永遠に来ないことはありえない。利広は、平和な豊かな奏国もいつの日か必ず滅びるという苦痛を抱えて日々生きていたのです。こうして諸外国を行ったり来たりしているからこそ、傾国の苦しみがよく分かる。
恐らく、利広はそうした思いを家族には明かしたことがない。明かす相手は尚隆一人。
双方ともに、気が遠くなるほどの長い年月を生きた身で、なおかつ滅び行く王朝を今まで幾度となく目にしてきたからこそ、利広は尚隆の前で心の弱みを曝け出します。
図南の翼』では、捉えどころがなく、常に人より先を見据えていた利広。『帰山』は、そのような彼もやはり所詮は人なのだと痛感させられるエピソードでした。
『帰山』では『図南の翼』のときとは正反対にブルーな利広ですが、そのような彼に対し、尚隆はしっかりとした態度を見せます。あくまでも気丈に、利広よりさらに先を見据える尚隆。
太子と王の違いでしょうか――やはり尚隆の方が器が大きく見えます。(だからこそ利広は王に選ばれず、尚隆は王に選ばれた)
しかし、尚隆に全く不安がないというわけではないでしょう。太子とは言え、利広は自分よりも長く生きているわけで、長く生きることの苦しみも自分より大きい筈。
『帰山』は、生きることの苦しみについて考えさせられる作品でした。
ところで、私はこの帰山コンビが大好きです。
慶国の民。蜜柑色の髪に雀斑。鈴が慶へ向かう際、船中で出会った子供。昇紘の華軒に轢かれて死ぬ。
故人です。
おのれェェェッッッ……昇紘ォォォ……!!(※この事件は解決済み)
オレンジ色の髪にソバカス。『赤毛のアン』って感じですね。もしくは『にんじん』(これは読んだことないけど)。人懐っこくて、子供子供していて。だけどとても賢くて、その洞察力の鋭さには驚嘆してしまいます。
生きていれば、きっと役人か何かになって出世していただろうなぁ……オレンジ頭とソバカスそのまんまで成長して、あるとき突然金波宮に現れて――
清「よぉ、鈴」
鈴「……? 誰よ、あんた」
清「ひでーな、姉ちゃん。俺のこと、忘れちゃったの?」
鈴「……ま、まさか……あんた、清秀? 嘘……本当に……?」
清「嘘を言ってどうすんだよ。姉ちゃん、相変わらずだなぁ」
鈴「えっ……だって、こんなに背が伸びちゃって、雰囲気だって変わってるし……」
清「そりゃ、あれから何年も経ってんだから、成長するのは当然だろ? 俺は姉ちゃんと違って仙籍に入ってなかったんだし。……あ、でも、今日から俺も年をとらないんだっけ」
鈴「え? あんたひょっとして仙に……役人になったの?」
清「ああ。無事に大学を卒業して、今日から金波宮に勤めることになった。そういう意味では、姉ちゃんは俺の先輩だな。よろしくな、鈴」
……。
すまん、脳内妄想が滞りなく進んでしまった。